鉄スキレットとは鍋部分からハンドルまで鋳物(いもの)で作られたフライパンのことです。高温で溶かした鉄を型に流し込み、冷やし固めて作ります。
板の厚みがあり蓄熱性が高く、食材にじっくり火を伝える調理ができます。そのまま食卓に出せばアツアツの料理を楽しめます。
今回は鉄スキレットを使いこなすための
- シーズニング(油ならし)方法
- 焦げ付きにくい焼き方
- 安全な使い方
をご紹介します!
鉄スキレットは高温で調理可能。お肉や野菜の旨味を逃がしません。板の厚みがあり蓄熱性が高いので食材にじっくりと火を伝える料理もできます。 一方で、スキレットをはじめとする鉄製の鍋類は、非常にサビやすい製品です。使用・未使用に関わらず[…]
鉄製のキッチン道具というと「鉄フライパン」や「鉄スキレット」を思い浮かべる方が多いかもしれません。 どちらもいわゆる「フライパン」の形をしていますが、どのような違いがあるのでしょうか?また、選ぶときはどんなポイントに気をつけるべきなのでし[…]
鉄スキレットを初めて使う時にやること
鉄スキレットを初めてお使いになる際はシーズニング(油ならし)しましょう。シーズニングを繰り返すことでスキレットに油がなじみ、焦げ付きにくくなっていきます。
今回は和平フレイズのヘビーズ 鉄スキレット18cmを使います。
※当社では取り扱っていませんが、シーズニング不要(シーズニング済み状態)で販売されている製品もあります。製品に付属している取扱い説明書をよくご確認いただき、ご使用ください。
シーズニング(油ならし)の方法

※数分間加熱しても煙が出たか分からない場合
内面が白っぽくなり、手をかざし熱気を感じるようであれば次の工程に進みましょう。




③表面全体にまんべんなく油をなじませます。
※ハンドルも熱くなっています。持ち上げる時はミトンなどを使用してヤケドに注意してください。

余分な油をオイルポット等に戻します。

④再度油を入れ、加熱します。

油が熱くなってから野菜屑等を炒め、油を十分になじませます。今回は玉ねぎの皮を使いました。
※調理材料が冷たいと焦げ付きやすくなりますので注意してください。

シーズニング完了です!
シーズニングが必要な理由とは?
シーズニング(油ならし)とは、鉄製品に油をなじませ、表面に油膜をつくることです。この油膜が焦げ付きを防いでくれます。
シーズニングを行わないと食材が焦げ付きやすくなります。また、火加減が強すぎたり、油の量が少なすぎても焦げ付きの原因になります(火加減、油の量は後述します)。
2回目以降もシーズニングをしましょう!
シーズニングは油がなじみがよくなるまで行いましょう。
鉄スキレットの表面はザラッとした表面で、細かな凹凸があるため油がなじみやすいです。油なじみが良くなりさえすれば、あとは油を引くだけで調理可能になります。
使い始めから数回のシーズニングは面倒かもしれませんが、そのあとはラクになりますよ。
ちなみに鉄フライパンの場合は、最初に「油ならし」を行い、次からは調理前に「油返し」を行います。
鉄フライパンの油ならしを紹介しています!▼
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油なじみがよくなった合図は?
「油なじみがよくなった状態」をどうやって見分ければいいのでしょうか?新品と、シーズニングを繰り返してから使い込んだものを比較してみましょう。
左:シーズニング前の新品
右:シーズニングを繰り返してから使い込んだもの
右:シーズニングを繰り返してから使い込んだ鉄スキレットは全体に黒っぽく見えるのが特徴です。油を引いただけで焦げ付きにくく焼けるようになっています。また、表面に「酸化皮膜」が作られるので、錆びにくくもなります。
「見た目が黒っぽくなる」、「焦げ付きにくく調理できる」状態を「油がなじんだ」という風に捉えていただければ良いかと思います。
鉄スキレットで焦げ付きにくく焼く方法
鉄スキレットをシーズニングしたら料理してみましょう!
鉄スキレットで焦げ付きにくく調理するポイントはこちら。
- しっかり余熱する(焼き料理の場合)。
- 火加減をいつもより少し弱火にする。
- 料理に必要な油の量を見つける。
以上のポイントに気をつけてステーキ用牛肉を焼いてみます。
【下準備】
ステーキ用牛肉は塩こしょうで下味をつけ、室温に戻し、キッチンペーパーで余分な水分を拭き取った状態で準備しました。
①鉄スキレットを余熱する

大さじ1の油を入れ、煙が出る直前くらいまで熱します。底面から炎がはみ出さない程度の火力にしましょう。
※煙が出るくらい熱してしまうと、油が傷んでしまいオススメできません。
②ステーキ用牛肉を入れる

鉄は蓄熱性が高いので、高温になりすぎないよう火加減を弱めます。
③もう片面も焼く

焼き目が付いたら牛肉を返します。
←焦げ付かずにひっくり返せました!

④アルミホイルで包んで休ませる

両面に焼き目が付いたら火を止めます。

アルミホイルに包んで10分程度休ませます。
⑤ステーキの出来上がり

肉のうまみが感じられるおいしいステーキになりました。
今回使った牛肉は、輸入牛・牛肩ロース・グラム188円と高いお肉ではありませんでしたが、水っぽくならずとてもジューシーに仕上がりましたよ。
また、シーズニングを1回行ってから焼いてみました。油を適量引いて余熱、火加減を調整したことで焦げ付かずに調理することができました。
焦げ付きにくく焼くためにはシーズニングだけでなく、油の量、火加減も大事なポイントとなります。
鉄スキレットを使ったおすすめレシピ
鉄スキレットは本体の厚みがある分、蓄熱性が高まります。サッと火を通す料理も、じっくり熱を加える料理も得意です。
オーブンでじっくり加熱するハンバーグ、フォカッチャなどのパン系メニュー
エビとマッシュルームのアヒージョ

ダッチベイビー
鉄スキレットを長く・安全に使うために
鉄スキレットをご使用いただく際、いくつか注意していただきたいポイントがあります。
お手入れ・保管方法
使用後は温かいうちにお湯とたわしで洗い、水気を飛ばします。ときどき油を薄く塗りましょう。
お手入れ方法の詳細はこちらのコラムでご紹介しています。
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湿気の多い場所で保管すると発生の原因となります。お手入れ後はなるべく風通しの良い場所で保管しましょう。
▼コンロ下、流し台の下は湿気がたまりやすいため注意しましょう。
IHで使う場合は中火以下で!
今回使用した鉄スキレットはIHクッキングヒーターで使用できます。
IHでのご使用は、必ず中火以下で使用してください。最大火力でのご使用は本体変形および器具の破損の原因になります。
IHは電源を入れると急激に本体を加熱するため、少量の油の場合30秒で発火点に達します。そのため、下ごしらえ等少量の油で炒め物を行う場合は、油温が必要以上に上昇しないよう、火力(出力)を「中」以下で調理してください。
キャンプで使う場合の注意!
鉄スキレットといえばキャンプで使うことをイメージされる方も多いかもしれません。
キャンプ等のアウトドアで使用する場合は、カセットコンロやBBQコンロなど安定させた状態でのご使用をおすすめします。
焚き火・炭火調理される場合は以下に十分ご注意ください。
- 調理台・スタンドなど安定した場所で使用する。
- 弱火〜中火で使用する。
直接、薪や炭にくべると不安定になり、やけどや火災の原因になります。また、高火力での使用は焦げ付きの原因になりますのでご注意ください。
屋外・屋内問わず鉄スキレットはストーブ上では危険ですので使用しないでください。
湯沸かし、煮物、揚げ物NGです!
鉄スキレットを湯沸かし、煮物や汁物等の調理には絶対に使用しないでください。水分が塗装に浸透し、剥離や腐食(サビ)の原因になります。
また、天ぷら、揚げ物料理には使用しないでください。油温が200度以上に達すると火災の危険があります。
まとめ
鉄製品というと「焦げ付きやすそう」「サビさせてしまいそう」というイメージから、嫌煙される方もいらっしゃるかもしれません。
ですが、しっかりとシーズニングをして、火加減・油加減に気をつけることで誰でも使いこなせるようになります。ぜひお試しください!
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